名古屋の転職支援プロが教える転職ルール

名古屋で転職支援12年の経験を活かして、他では聞けない名古屋の転職にまつわる話を書いています。

新卒採用のルール変更が中途採用にもたらす影響について ①企業への影響

名古屋の転職コンサルタントのタカシです。

 

今日のテーマは
経団連が新卒学生の就職活動の日程を決める
「採用選考に関する指針」の廃止を
決定したことに対する
中途採用の影響について書いていきたいと思います。

 

新卒ルール変更の影響

 

今回の決定は、立場によって、影響内容が異なりますので、
それぞれ考察していきたいと思います。

具体的には、3回に分けて書いていきます。

 

第①回

・企業

 

第②回

・就活生、第二新卒、就活リチャレンジ意欲組

 

第③回

・既存の中途採用

・我々の商売への影響

 

 

 

今回は第①回、

企業について書いていきます。

 

前提として

私は東海3県の主に中小企業を中心に担当していますので、

見解は、担当エリアや企業の大小で異なります。

あらかじめ、ご了承ください。

具体的には4つ変化が起こると考えます。

 

  1. 新卒採用に信念がないと、効率的な中途採用シフトが進む
  2. 狩猟型の採用のスペシャリストを採用する企業が増える
  3. 年齢による組織ピラミッドを崩さないと、社内バランスが崩れる
  4. 中小企業は想いだけではなく、環境整備がより求められる

 それぞれについて、詳しく書いていきます。

 

1.新卒採用に信念がないと、効率的な中途採用シフトが進む

 

企業が新卒採用するメリットって

なんだかわかりますか?

教育の効率化とか、

組織ピラミッドを作りやすいとか

色々あると思いますが、

 

私は、企業文化を作りやすいということだと思います。

何色にも染まっていない新卒は

会社の文化や風土を作る点で貢献度が高いです。

組織の一体感も生み出しやすいです。

 

言葉を選ばず言えば、洗脳しやすい、、、

言い換えると、兵隊を作りやすい、、、

ともいえるかもしれません。

 

それにより、会社のベクトルは合わせやすくなり、

社員教育もしやすい側面等のメリットも多いです。

 

そのため、この重要性を分かっている企業は、

どれだけ採用難易度が高くなろうと、

今後も採用は継続します。

 

ただ、一方で、新卒は即戦力とは言い難く、

育つまでは時間がかかります。

 

また、せっかく育てたのに退職してしまう

ということもあります。

 

何より採用活動はインターンシップ等で長期化をしており、

これが今回のルール変更で更に長期化が予測されます。

 

つまり、コストは時間・人件費等コストも年々増大するので

言葉を選ばず言えば、新卒採用は非効率的です。

 

そのため、新卒採用にこだわりが少ない企業は

今回の変更を機会に、新卒採用を辞め、

様々なコストを鑑みて、効率的な

中途採用にシフトしていくと考えられます。

 

 2.狩猟型の採用のスペシャリストを採用する企業が増える

 

上記に上げたように採用はコストは増えますが、

それに加えて、もし政府が活動時期を明言の有無にかかわらず、

長期化容易に想像できるので、

学生に期限以外の部分で決断を迫ること、

内定を得た後にフォローすることが、

より求められるようになっていきます。

 

そのため、兼務で採用業務に従事する方は、

採用業務に忙殺されて、

結果的に労働量不足から、学生の辞退を招くという

ケースも増えていくと考えます。

 

そのため、採用人員の専任化、

スペシャリストの人材は増えていくことでしょう。

 

 

採用スペシャリストに求められる経験は、

学生に自社の魅力を伝えて、良さを知ってもらい、

選考を受けてもらい、他社ではなく自社に決めてもらうクロージングまで

幅広く求められます。

 

これは、受け身的なタイプだと難しく、

自分から狩猟できるタイプがより重宝されます。

 

今までは就活ルールがあったので、

ルールの上では多少受け身でも問題ありませんでしたが、

自由競争になると、受け身では後れを取ってしまいます。

そのため、狩猟型の採用スペシャリストを

社内で育てるか、中途採用で採用することが必要と考えます。

 

3.年齢による組織ピラミッドを崩さないと、社内バランスが崩れる

 

新卒採用のメリットして、新卒採用を続けると、

年齢の階層ピラミッドができてきます。

 

ただ、仮に今回のルール変更をきっかけに、

新卒採用をしないとなると、

中途採用に舵を切らなければなりません。

 

一方で、時代は少子高齢社会です。

若手の方を採用しようと思っても、採用難易度はあがります。

そのため、組織ピラミッドのバランスだけを気にしていると、

採用ができなくなります。

 

そのため、組織としても、分かりやすいことで言えば、

年下の上司や、年上の部下はじめ、

年齢ピラミッドに縛られない柔軟な採用と、

それに見合った組織を

作っていかなければいけません。

 

社内のしがらみを気にしていれば、

従業員は増えず、先細りするのも目に見えています。

下記のようなニュースはますます増えていきます。

news.livedoor.com

 

4.中小企業は想いだけではなく、環境整備がより求められる

 

新卒採用は中途採用と比較すると、条件待遇だけではなく、

『想い』の部分に注力することで、採用しきれる部分が大きいです。

新卒採用では人気企業なのに、中途採用では不人気という企業は、

この『想い』をアピールした採用が上手い企業です。

 

ただ、これだけ採用環境が厳しくなると、

『想い』に加えて、休日日数や、多様な働き方、

それを認め合う風土等の環境も

魅力的でなければ採用できません。

 

そのため、中小企業には、

うちは中小企業だから仕方ないという発想ではなく、

中小企業だけど、ここにはこだわっている

という環境整備が必要になります。

 

例えば、労働時間とか、休みとか、職場環境とか、

社員が誇れる環境が必要になります。

 

これが出来なければ、採用は新卒・中途問わず、

できない時代が来ています。

 

経営における人材採用、定着の優先順位を

上げる必要があります。

 

まとめ

 

企業にとっては、分岐点となるタイミングだと思います。

逆に言えば、従来通りのやり方で仕事を進めている企業は、

採用は非常に苦しくなっていくと思います。

 

いま一度、

自社の採用のこれからを考える必要があります。

新卒採用をしていくのか?

それとも、

中途採用をしていくのか?

両方なのか?

バランスは?

 

という方向性を経営者を中心に話し合うタイミングに間違いありません。

 

次回、第②回は、

就活生、第二新卒、就活リチャレンジ意欲組に

もたらす影響についてです。

 

 

 

名古屋住みの転職コンサルタント タカシ